2023年一般消費財株 PEP(ペプシコ)を調べてみた

一般消費財の代表でもあり、過去50年以上連続増配を続けている高配当株PEPを調べて見ました。

  1. 企業概要
  2. 地域別売上構成比率
  3. 株価および業績推移
  4. EPS成長率
  5. 2023年Q2決算後のガイダンス
  6. まとめ

企業概要

ペプシコ (PepsiCo) は、飲料と食品の製造・販売を行っている多国籍企業で、米国ニューヨーク州に本社を置いています。 企業の起源は1898年にあり、その時点でペプシコーラという炭酸飲料が初めて製造されましたしかし現在のペプシコーラ社は1965年にペプシコーラ社とフリートレー社が合併して誕生しました。

ペプシコはその製品ポートフォリオと世界200ヵ国以上で製品の販売をしています。

主なブランドはペプシ、マウンテンデュー、レイズ、ギトーレイ、トロピカーナ、クエーカー、といったブランドを擁しています。

ペプシコの収益割合のおよそ半分は米国から得られており、残りはその他の地域から得られています。この地理的多様性はペプシコにとって強みでありドル高の今は弱みとなっています。

地域別売上構成比率

2022年売上高利益
(12か月)金額構成比金額構成比利益率
PepsiCo Beverages North America26,21330.30%5,42647.10%20.70%
Frito-Lay North America23,29127.00%6,13553.30%26.30%
Europe12,72414.70%-1,380-12.00%-10.90%
Latin America9,77911.30%1,62714.10%16.60%
Africa, Middle East and South Asia6,4387.50%6665.80%10.30%
Asia Pacific, Australia and New Zealand and China region4,7875.50%5374.70%11.20%
Quaker Foods North America3,1603.70%6045.30%19.10%
Corporate unallocated expenses- %-2,103-18.30%- %
Total86,39211,512

株価および業績推移

現在株価現在値 188.210(07/14 16:00)
時価総額259,086百万USD
自己資本比率18.60%
ROE37.30%
PER32.8倍
配当利回り2.50%

売上高:増加傾向にあり、2012年の$65,492から2022年の$86,392まで上昇しています。

売上原価も同様に増加しており、これにより売上総利益の増加が一部相殺されています。これは企業が原材料費直接や労働費のコントロールに成功していることを示しています。

販管費は売上高とほぼ同じ割合で増加しており、これが営業利益の増加を抑制しています。で安定しております、これは企業のコスト管理が比較的一貫していることを示しています。

しかし、販売管理費が70%という数値はかなり高いため強い売上成長が必要かと思います。

EPSとROEの動向は、投資家にとって特に関心があるかもしれません。EPSは大部分の年で増加しており、これは株主の収益が増加していることを示しています。 ROEも上昇傾向にあり、これは企業が株主の資本をどれだけ効率的に利用しているかを示す指標です。

株主還元

利益余剰金、2012年の8,479百万ドルから2018年の9,415百万ドルまでやや減少傾向が見られましたが、その後2022年までに10,811百万ドルに回復しました。利益を上げつつも、一部を再投資や検討に用いているかと思われます。

フリーキャッシュフロー、 2012年の11,193百万ドルから2022年の16,018百万ドルまで順調に増加しています。これは企業の営業活動が効率的に行われ、安定したキャッシュフローを行っていることを示しています。

配当利回り、 2012年の2.9%から2022年の2.7%とほぼ一定を保っています。これは投資家が一定のリターンを期待でき現在も増配を続けています。

配当性向、 2012年の53.7%から2022年の71.1%に増加しています。 特に2017年の94.1%は注目すべきで、今年は企業が利益のほぼ全てを株主に還元したことを示しています。

発行済み株式総数、2012年の1,542,782,724株から2022年の1,377,251,316株へと減少しています。これは企業が株式買い戻しを行っていることを示しており、株主価値の向上を図っていると言えます。

PEPは安定した業績を維持しつつ、一定の投資リターンを提供し、株主還元を重視していることがわかります。

EPS成長率

EPS成長率10年間EPSEPS成長率5年間EPS
201242012 
20134.432013 
20144.392014 
20153.772015 
20164.432016 
20173.422017 
20188.9120188.91
20195.2620195.26
20205.1620205.16
20215.5120215.51
20226.4720226.47

過去10年間のEPS成長率は5%で、過去5年間の成長率は-6%です。これはEPSが一定の速度で増加するとは限らないことを示しています。

単純計算を行うと、10年後のEPSは現在のEPSに10年間の成長率を適用したものとなります。このケースでは、EPSの成長率を5%とし、現在のEPSが$6.47 なので、10年後のEPSは約$10.56となります。

株価はEPSとPER(Price Earnings Ratio:収益率)の積によって決まるため、予想PERは27倍と考え、10年後の予想予想は$284.92となります。

10年間の期待収益率は訳4.8%となり現在の米国10年物国債の利回りを超える結果となりました。

なお、最新のPERやその他の要素は計算に含まれていないため、予想や期待収益率は参考判断程度にしてください。投資を行う際には、さまざまな要素を総合的に考慮する必要があります。

2023年Q2決算後のガイダンス

2023年の第2四半期と年間未定のペプシコの結果をIRより抜粋します。

カテゴリー2四半期年初来
純収益の増加10.40%10.30%
純収益に対する為替の影響-2.50%-2.50%
一株当たり利益(EPS)$1.99$3.38
EPSの変化93%-17%
外国為替によるEPSへの影響-2%-2%
収益の成長13.00%13.60%
コアEPS$2.09$3.59
コアEPS の変化15%16%
  • 第2四半期と年間換算の純売上高はそれぞれ10.4%、10.3%増加しました。
  • 外国為替の影響は純売上高に対して-2.5%で、EPSに対しては-2%でした。
  • EPSは$1.99で、一応同期比で93%増加しました。

オーガニック/コア (非 GAAP) の結果は以下の通りです:

  • オーガニック売上の成長率は、第2四半期が13.0%、年間換算が13.6%でした。
  • 第2四半期のCore EPSは$2.09、年間契約のCore EPSは$3.59でした。
  • コアEPSの変化は、第2四半期が15%、年間収益が16%でした。

これらの結果は、ペプシコのビジネスが好調であることを示しています。 特にオーガニック売上の高い成長率は、会社の基本的なビジネスモデルが堅調であることを示しています。 EPSの大幅な増加は、ペプシコの収益性が向上していることを示しています。

まとめ

  1. 売上高: 2022年と2023年の売上高は共に増加しています。これは、PEPが事業を拡大し、より多くの顧客に製品を販売していることを示しており、売上高の増加は、企業が新製品を導入し、その製品が成功しているか、また製品の販売が増加している可能性があります。
  2. 営業利益と税引前利益: 2022年と2023年の営業利益と税前利益の動向は異なりますが、営業利益と税前利益は大幅に増加しています。売上高の増加が費用の増加を上回り、その結果、利益が増加したことを示しています。
  3. EPS :株主にとって重要な指標で、EPSが増加すると、株主は投資のリターンが向上していると考えられまますが、過去5年間のEPS成長率はマイナスとなっています。
  4. 株主還元: 配当は2.6%から3.2%の範囲で、配当性向は41.6%から94.1%の範囲で変動しています。これはペプシコが積極的に利益を株主に還元している証拠だと思います。

ここまでご覧頂きありがとうございました。


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