アメリカ経済の展望

インフレ率

米国のインフレ情報に注目。6月のCPI報告書が水曜日に発表予定で、エコノミストは総合インフレ率が5月の4.0%から3.0%へ、インフレコア率が5.3%から5.0%へと低下すると予測しています。FRBが7月25-26日の予想で利上げを25ベーシスポイント行う確率を90%と見ておりました。

同時に、JPモルガン・チェース(JPM)、等これらの銀行は入金状況や資金拡大について報告しましたが、一部では、純利益の減少、信用コストの正常化と増加、そしてインフレによるコスト圧迫を理由に、大手銀行の収益がピークを迎えるとの警告がありました。見通し、流動性の追加や資本の増加を行い、自社株の買い戻しを控える動きも注目されました。

銀行業界以外でも、業績の下振れが見受けられました。S&P 500に採用されている企業全体で見て、EPSの事前発表では62件のマイナス予想に対して、39件のプラス予想があり、N/Pレシオは1.6となりました。これは長期平均2.5、および過去4四半期の平均2.0と比較すると低く、市場全体の業績に対する目安を示しています。

N/Pレシオ

※N/Pレシオ(Negative-to-Positive Ratio)は、企業が行う収益収益(予想)の修正のうち、下方修正(ネガティブ)の数と上方修正(ポジティブ)の数との比率を示すものです。このレシオは、企業全体の業績に対する市場の期待値や楽観度を表す指標として用いられます。N/Pレシオが1より大きい場合、下方修正(業績が予想より悪い)の数が上方修正(業績が予想より良い)の数より多いことを示し、全体的な市場環境が厳しいと言えます。逆にN/Pレシオが1より小さい場合、上方修正の数が多いことから、市場の環境が比較的良好であると言えます。

ISM製造業景況感指数

また、6月のISM製造業景気指数は46.0で、前の月から0.9ポイント低下しました。市場予想を下回り、2020年5月以来の低い水準です。また、好況と不況の分かれ目である「50」を8カ月連続で下回っています。項目別では、生産活動の先行指標となる「新規受注」が上昇した一方で、「雇用」は3.3ポイント悪化し「50」を割り込みました。

ISM製造業景況感指数

指数は、新規受注、生産、雇用、供給業者の納期、在庫などの要素をベースに算出します。ISM製造業景況指数が50を上回ると、製造業全体が拡大していることを示し、50未満では製造業全体が縮小していることを示します。この指標は経済全体の方向性を示す重要なバロメーターとなっています。

市場はすでに逆業績相場入りし、以前に書いた相場の4サイクルの中間反騰に位置する場面かもしれません。

相場サイクルの見分け方 ー銘柄選択と売買のタイミング【電子書籍】[ 浦上邦雄 ]価格:2,112円
(2023/7/9 22:43時点)
感想(0件)

まとめ

このような相場環境下での今後の見通しについて考えと、以下のようなシナリオが想像されます。

中期:市場価格が実際の価値から乖離した企業を見つけ出し、それらの株式を売買することで利益を求めることが可能だと思います。これにより、逆業績相場はある程度の自己修正が行われる可能性があります。

長期:市場全体が最終的には基本的な業績に従って価格を修正する可能性があります。価格と価値の乖離が長期持続することはあまりないかと思います。株価が実業績から大きく乖離した場合、その乖離が認められるまでの期間には大きなボラティリティが予想され、買場となる可能性が高くなります。

ただし、これらの決断は個人的予想にすぎません。経済状況、政策変更、マクロ経済の変動など、多くの外部損失に影響を受けるため、具体的な動向を予測することは困難です。投資的には十分なリスクを理解した上で自己判断、自己管理とともに、専門的な投資アドバイスを受けることを推奨いたします。

ここまでご覧いただきありがとうございます。


コメント

タイトルとURLをコピーしました