今回ETFのTLT銘柄について調べてみました。
ETFは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では上場投資信託と呼ばれます。
株式や債券、商品などの複数の資産を組み合わせたポートフォリオを追跡する投資信託で、
一定の基準に従って構成されたバスケットとして取引されています。
ETFは、株式と同じように取引所で売買され、
保有するポートフォリオのパフォーマンスに連動する投資収益を得ることができる商品です。
ETFは、投資家にポートフォリオの多様化、流動性、手数料の低さなどの利点としています。
また、個別の株式や債券を買う必要がなく、簡単に多様な市場に投資することができます。
TLTとは
TLTは、iShares 20+ Year Treasury Bond ETFという名前の米国債券ETFです。このETFは、米国政府が発行する20年以上の満期の国債に投資することにより、長期的な固定収益証券に露出することを目的としています。
TLTは、国債市場の長期金利に連動するように設計されています。つまり、長期金利が上昇すれば、TLTの価格は下落し、長期金利が下落すれば、TLTの価格は上昇する傾向があります。
このETFは、運用費用率が0.15%と比較的低く、20年以上の満期を持つ米国国債に投資するための手軽な方法を提供しています。また、米国債券ETFの中でも比較的高い流動性を持ち、市場の需要と供給に基づいて相場が形成されるため、投資家にとっては買いやすく売りやすいETFとなっています。
TLTは、米国債券市場に投資する投資家にとって、長期的なポートフォリオの一部として考慮する価値があるETFの1つです。
TLTチャート

米国債券TLTは、分配金利回りは、過去12カ月で2.58%となっています。
TLTの魅力は、株式市場の暴落時に資産を守ることができる点です。株式と債券は逆相関の関係にあることが多く、株価が下落すると債券価格が上昇する傾向があります。特に、TLTは残存期間が長いため、金利の変動に敏感に反応し、値動きが大きくなります。金利が下がると債券価格は上がるので、金利が低下する局面ではTLTの価格は急騰する可能性があります。
相関関係(S&P500と米国10年債利回りとの比較)

例えば、2020年に発生したコロナショックでは、世界的な株式市場が大暴落しましたが、TLTはその間に約30%も上昇しました。これは、コロナウイルスの感染拡大による経済危機への懸念から、安全資産とされる米国債への需要が高まったことや、FRBが緊急利下げや量的緩和を実施したことで長期金利が低下したことなどが要因です。TLTは、株式市場の暴落時にポートフォリオ全体の損失を抑える役割を果たしてくれました。
しかし、TLTにも注意点があります。TLTは値動きが大きいため、金利が上昇する局面では価格が急落するリスクもあります。2021年以降は、コロナショックからの景気回復やインフレ期待から長期金利が上昇し、TLTの価格は約20%も下落しました。また、残存期間が長いためにインフレリスクも高くなります。インフレが進むと債券の実質的な収益率は低下し、価値が目減りします。
TLTは、株式市場の暴落時に資産を守ることができる魅力的なETFですが、値動きが大きくリスクも高いことを理解しておく必要があります。
長期投資用としてリスク分散ポートフォリオで株式、債券、商品といったETFで構成するのも良いかと思います。
リスク分散ポートフォリオに関しては以前にも書いたレイダリオの推奨するオールシーズン戦略によるリスク分散もオススメします。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
コメント