Dollar Generalの強みと課題:低価格戦略の成功と今後の改善点

  1. 会社概要
  2. 主要事業
  3. 1. 売上高の安定した成長
  4. 2. 粗利益率の安定
  5. 3. 販管費の増加と利益率の変動
  6. 4. 純利益率とEPSの推移
  7. 1. 利益剰余金の推移
  8. 2. フリーキャッシュフロー(フリーCF)の変動
  9. 3. 発行済株式総数の減少
  10. 4. 配当利回りと配当性向の変化
  11. 1. EPS成長率の推移
  12. 2. 将来のEPSと株価予測
  13. 3. 期待収益率
    1. EPS成長予測
  14. 競争優位性
  15. 脆弱性

会社概要

DG(Dollar General)は、米国に本社を置く大手ディスカウントリテーラーで、数百万の顧客に対して幅広い日常生活用品を提供しています。1940年代に創業されたこの企業は、低価格で質の高い製品を提供することを目指しており、その手頃な価格帯が特に低所得者層や郊外地域の消費者に支持されています。現在、米国全土に17,000を超える店舗を展開し、スーパーマーケット、薬局、雑貨店の機能を一体化させたユニークなビジネスモデルで成長を続けています。

主要事業

ダラーゼネラル(DG)の主要事業は、低価格商品を幅広く取り揃えたディスカウントリテール事業です。取り扱う製品は、食料品、清掃用品、衣料品、ヘルスケア製品、家庭用品など多岐にわたり、日常生活に必要な商品を手頃な価格で提供している企業になります。また、近年はプライベートブランドの強化にも力を入れており、独自の商品ラインナップを拡充しています。さらに、2024年の最新動向として、物流の効率化とAIを活用した在庫管理システムの導入により、コスト削減とサービス品質の向上を実現しています。

DGは、持続可能な成長を目指して、地域社会への貢献や環境保護にも積極的に取り組んでおり、これが企業の社会的責任(CSR)として評価されています。今後も、競争の激しい小売業界でその存在感を強めていくことが期待されます。

株価指標

PSRが0.70倍と非常に低いことから、売上高に対しても割安に評価されている可能性があります。このような状況では、成長余地がある企業として投資家からの注目を集めやすいと言えます。また、自己資本比率は21.90%で、これはやや低めです。

この値は企業がどれだけ自己資本で事業を運営しているかを示す指標で、一般的には高いほど財務健全性が高いとされています。自己資本比率が低いということは、企業が多くの資本を負債で賄っていることを示します。これは、ROE(自己資本利益率)が高くなる一方で、財務リスクも高まることを意味します。特に負債依存度が高い企業では、経済環境の変化や金利の上昇が財務に大きな影響を及ぼす可能性があります。

同セクターである「Retail – Defensive」業界内の平均自己資本比率は約35%です。

Walmart Inc. (WMT)

  • 自己資本比率: 約40%
  • Walmartは強固な財務基盤を持ち、負債依存度が比較的低いため、自己資本比率が高いです。

Target Corporation (TGT)

  • 自己資本比率: 約33%
  • Targetも健全な財務構造を持っており、自己資本比率は業界平均を少し上回る水準です。

Costco Wholesale Corporation (COST)

  • 自己資本比率: 約28%
  • Costcoは比較的高い負債比率を持っていますが、依然として健全な自己資本比率を維持しています。

株価チャート

DGの株価はS&P 500指数に対して大幅に上回るパフォーマンスを示しています。特に2010年から2021年にかけて、DGの株価は急速に上昇し、最大でS&P 500のパフォーマンスを大きく凌駕しています。

ただし、2022年以降は市場全体の調整や経済環境の変化を反映して、株価は大きく変動しました。特に2023年の後半から2024年の初頭にかけて、株価は安定しつつありますが、依然として高いボラティリティが存在しています。

業績推移

1. 売上高の安定した成長

過去16年間にわたり、DGは売上高を一貫して増加させてきました。2007年の94億ドルから2023年の約387億ドルへと成長しています。これは、年平均成長率約9.5%に相当し、安定したビジネスモデルと言えるかもしれません。

2. 粗利益率の安定

粗利益率は、この期間を通じて30%から32%の範囲で安定しており、コスト管理が上手く行えている可能性があります。

3. 販管費の増加と利益率の変動

販管費(販売費及び一般管理費)の割合は2007年の90%から2023年の79%に減少していますが、最近では再び上昇傾向にあります。賃金の上昇、インフレ、物流コストの上昇などが影響している可能性があります。

4. 純利益率とEPSの推移

純利益率は過去数年間で波があり、2010年の4.82%から2023年には4.29%に低下しています。しかし、2020年にはパンデミックの影響で利益が急増し、EPS(1株当たり利益)も最高値の10.62USDに達しています。2023年のEPSは7.55USDで、パンデミック後の利益の縮小が見られますが、それでも長期的には上昇傾向にあります。

1. 利益剰余金の推移

利益剰余金は、企業が過去の利益をどれだけ蓄積しているかを示す指標です。2013年から2023年にかけて、DGの利益剰余金は増加傾向にあり、2023年には約27.99億ドルに達しています。

2. フリーキャッシュフロー(フリーCF)の変動

フリーCFは、営業活動から生じたキャッシュフローから資本的支出を差し引いたもので、企業が自由に使える現金の額を示します。2013年から2023年にかけて、フリーCFは比較的安定しており、2021年には28.48億ドルとピークに達しましたが、その後は減少し、2023年には4.24億ドルに落ち込んでいます。

3. 発行済株式総数の減少

発行済株式総数は、企業が株式を発行して資金を調達する頻度や自社株買いの状況を示しています。DGの発行済株式総数は、2013年の約3.14億株から2023年には約2.20億株に減少しており、企業が自社株買いを積極的に行ってきたことを示しており、自社株買いは、1株当たり利益(EPS)の向上を促します。

4. 配当利回りと配当性向の変化

配当利回りは、投資家が株式を保有することで得られるリターンを示し、配当性向は企業が利益の何%を配当に回しているかを示します。DGの配当利回りは、2015年以降上昇しており、2023年には1.6%に達しています。一方、配当性向は年によって変動があり、2023年には31%に達しました。高配当株の投資においては1.6%という配当利回りは少し物足りなさを感じかもしれません。

EPS成長率からみる収益性

1. EPS成長率の推移

  • 過去10年間のEPS成長率は年平均9%で、特に2020年以降、EPSが大きく成長しています。2020年には11.1%、2021年には10.48%と、パンデミックによる特需もあり高い成長を遂げています。
  • 過去5年間のEPS成長率は平均2%と低くなっていますが、これは短期的な経済状況やコストの上昇が影響している可能性があります。

2. 将来のEPSと株価予測

  • 10年後の予想EPSは17.48 USDとされており、これは現在の成長トレンドが継続することを前提としています。
  • 10年後の予想株価は314.61 USDと算出されています。この株価予測は、現在の成長率と市場の評価を基にしたものです。

3. 期待収益率

  • 10年間の期待収益率は年率9.79%と算出されています。これは、投資家がこの株式を保有することで、年平均で約9.79%のリターンが得られることを示しています。この収益率は、市場全体の平均的な期待収益率と比較しても、比較的高い水準です。

EPS成長予測

ROEが維持され、EPSが成長を続けると仮定した場合、EPSは以下のように計算されます。

現在のEPSが$7.56であるとすると、10年後のEPSは次のように計算されます。

PER(株価収益率)が18倍で維持されると仮定した場合、10年後の予想株価は以下のように計算されます。

このように、ROEが維持される場合のEPS成長と、それに基づいた予想株価を計算することができます。

あくまでも単純な計算ですので多くの要因に影響を受けるため慎重な分析が必要です。

理論株価

マネックス証券より引用

理論株価は、PER基準とPBR基準のアナリスト予想によって計算されています。

現在はPER、PBR基準共に割安で判断されていると言えます。

EPS成長と株価の相関

こちらが、Dollar Generalの売上高、EPS、発行済み株式数、および株価を時間軸に沿って示した複合グラフです。

  • 青の棒グラフ: 売上高(百万ドル単位)を示しています。
  • 赤の折れ線グラフ: EPS(1株当たり利益)を示しています。
  • 紫の折れ線グラフ: 株価を示しています。
  • 緑の折れ線グラフ: 発行済み株式数を示しています。

各種回転率

マネックス証券より引用

全体的に見て、総資産回転率、在庫回転率、仕入債務回転率のいずれも低下傾向にあり、近年の経営効率が悪化していることが示唆されます。この背景には、競争の激化、在庫の過剰などが影響している可能性があります。

競争優位性

  1. 低価格戦略と広範な店舗ネットワーク
    • 低価格で日常生活に必要な商品を提供するディスカウントリテーラーです。特に、低所得層や郊外地域において強力な優位性があるかと思います。全米に17,000以上の店舗を展開し、地域社会に密着したビジネスモデルを構築していることが、競争優位性の一つです。
  2. 効率的なサプライチェーンと運営
    • 効率的なサプライチェーンと店舗運営により、コスト削減を図っています。これにより、他の競合と比較して低価格で商品を提供することが可能になり、価格競争力を維持しています。
  3. 強力なブランド認知と顧客ロイヤルティ
    • 長年にわたる事業展開により、強力なブランド認知を確立しています。特に、ターゲットとする消費者層においては、信頼できる店舗としての認識が広まっており、顧客ロイヤルティが高い点も競争優位性の一つです。
  4. プライベートブランドの拡充
    • プライベートブランド商品のラインナップを拡充しており、これが利益率の向上と差別化に寄与しています。これにより、価格に敏感な消費者に対して競争力のある選択肢を提供できています。

脆弱性

  1. 低自己資本比率と財務レバレッジの高さ
    • 自己資本比率は約21.90%と低く、負債依存度が高いことが脆弱性の一つです。これは、財務レバレッジが高いことを意味し、経済の不確実性や金利の上昇が財務に大きな影響を与えるリスクがあります。
  2. 競争の激化
    • 小売業界は競争が非常に激しい分野であり、特にディスカウントリテール市場においては、WalmartやDollar Treeなどの他の大手企業と競合しています。価格競争が激化すると、マージンの圧迫や市場シェアの縮小が懸念されます。
  3. 経済状況や消費者支出の影響
    • 低所得層を主要なターゲットとしていますが、景気後退やインフレによる消費者支出の減少は、同社の売上に直接的な影響を与える可能性があります。特に、消費者が支出を抑制する局面では、低価格戦略が限界を迎えるリスクがあります。
  4. オンライン市場の脅威
    • Eコマースの台頭は、伝統的な店舗型小売業にとって大きな挑戦です。DGもオンライン市場への対応を進めていますが、AmazonやWalmartといったオンラインプレイヤーとの競争が激化する中で、どの程度競争力を維持できるかは不透明です。

総評

Dollar Generalは、低価格戦略と広がる店舗ネットワークで、特に低所得層や郊外地域のお客様から高い支持を得ています。効率的なサプライチェーンと自社ブランドの充実も強みですが、最近は経営効率が少し落ちているのが気がかりです。総資産や在庫の回転率が下がり、仕入先への支払いも少し遅くなっているため、もう少し効率よく運営する工夫が必要かもしれません。また、借入に頼る部分が多いので、金利の変動や経済の影響を受けやすい点もリスクとして考えられます。これからも持続的な成長を続けるために、財務の安定と運営の効率化に取り組んでいくことが重要であるかと思います。

ここまでご覧頂きありがとうございました。

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