会社概要
Cintas Corporation (CTAS) は、Cintas Corporationの起源は1929年に設立。1983年にはNASDAQに上場を果たしました。米国に本社を置くビジネスサービス企業で、企業向けのユニフォーム、マット、タオル、トイレタリー用品、洗濯サービス、火災防止サービス、ファーストエイド用品など、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。創業以来、CTASは中小企業から大企業まで、幅広い顧客層に対して品質とサービスを提供することを使命としてきました。2023年の時点で、CTASは約40,000人の従業員を擁し、全米およびカナダにおいて運営しています。
主要事業
Cintasの主要事業は、以下のように大きく5つのカテゴリーに分けられます:
- ユニフォームレンタルおよび販売: 企業向けにカスタマイズされたユニフォームを提供し、定期的なクリーニングとメンテナンスサービス。
- 施設サービス: オフィスや事業所向けに、清掃用具、トイレタリー用品、床マット、消臭装置などの提供と管理。
- 火災防止サービス: 火災予防のための装置の設置・保守・点検サービスを提供し、法令遵守をサポート。
- ファーストエイドおよびセーフティ製品: 職場の安全を確保するための応急処置用品や安全装備の提供およびトレーニング。
- その他のサービス: 特殊な業界や顧客ニーズに対応したサービスやソリューションの提供。
株価指標

ROEが38.30%と優れた収益性を示していますが、PERが49.9倍と高いため、株価は既に高評価されている可能性があります。
株価チャート

このチャートは、Cintas Corporation(CTAS)の株価パフォーマンスを示しています。オレンジ色のラインはS&P 500(SPX)のパフォーマンスと比較しています。
S&P 500との比較: Cintasの株価は、S&P 500指数を大きく上回るパフォーマンスを見せています。具体的には、Cintasの株価は約1,319.06%上昇しているのに対し、S&P 500は約291.22%の上昇にとどまっています。
業績推移

単位:百万USD
1. 売上高の成長
Cintasの売上高は2007年の37億ドルから2023年の88億ドルまで、16年間でほぼ2.4倍に成長しています。特に、2017年以降の成長が顕著であり、2021年以降はパンデミックの影響を受けつつも、売上が持続的に増加しています。これは、Cintasが提供するサービスが市場で強い需要を持っていることを示しています。
2. 粗利益率と営業利益率の改善
粗利益率は全体的に41%から47%の範囲で推移していますが、特に2021年以降、粗利益率が47%に達している点は注目に値します。同時に、営業利益率も改善しており、2023年には20%に達しています。これらの指標は、Cintasが効率的なコスト管理を行い、利益を最大化していることを示唆しています。
3. 販管費の管理
販管費(販売管理費)は、売上に対する比率が2007年から2023年までに徐々に改善されています。例えば、2007年の販管費率は64%であったのに対し、2023年には57%に低下しています。このことは、Cintasが事業規模の拡大とともに、コスト効率を改善していることを示しています。

1. 利益剰余金の増加
Cintasの利益剰余金は、2013年の約40億ドルから2023年には106億ドル以上に増加しています。この増加は、Cintasが安定した利益を生み出し続けていることを示しています。利益剰余金の増加は、企業が内部留保を積み上げ、将来の成長投資や配当支払いの余地を広げることを可能にします。
2. フリーキャッシュフロー(フリーCF)の強化
フリーCFは、企業が事業活動から生み出したキャッシュフローから資本的支出を引いたものであり、株主還元や成長投資に利用可能な資金の指標です。CintasのフリーCFは、2013年の約11.7億ドルから2023年には19.0億ドルに増加しており、これは同社が健全なキャッシュフローを維持し、効率的に資金を運用していることを示しています。
3. 発行済株式総数の変動
発行済株式総数は、2013年の約1億1640万株から2023年の約1億768万株に減少しています。この減少は、Cintasが株主価値を高めるために株式買い戻しを積極的に行っていることを示唆しています。株式買い戻しは、既存株主の一株当たり利益(EPS)を増加させる効果があり、株価の上昇要因となることが多いです。
4. 配当利回りと配当性向
配当利回りは、2013年から2023年にかけて1.2%から0.7%へと低下していますが、これは株価の上昇が配当利回りを抑えていることを示しています。一方、配当性向は比較的安定しており、特に2018年の53%や2020年の55%などの高い値も見られますが、2023年には26%に低下しています。これにより、Cintasは株主への還元を維持しつつも、成長のための再投資を重視していることが示されています。

利益剰余金やフリーキャッシュフローの増加を通じて、財務的に非常に健全な状況を維持しています。株式買い戻しにより株主価値を高める一方で、配当政策も堅実に行っており、株主への還元を継続しています。特に、フリーCFの強さが同社の柔軟な財務運営を支えており、今後も成長を続ける余地が十分にあることが示されています。
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EPS成長率からみる収益性

10年間の期待収益率(年率): 過去10年間のEPS成長率に基づき、Cintasの株式に対する10年間の期待収益率は13.04%と計算されています。これは、投資家がCintasに投資することにより、年間平均で13%のリターンが期待できることを示しています。

マネックス証券より引用
現在の株価(直近終値): 755.650 USD(2023年8月9日時点)。PER基準の理論株価: 725.213 USD。アナリストがPERを基に算出した理論株価であり、現在の株価よりもやや低い水準となっています。
現在の株価(755.650 USD)はやや上に位置しており、アナリストの予測よりも市場でやや高く評価されており割だがの可能性があります。
EPS成長と株価の相関

Cintas Corporationの2014年から2024年のEPS、株価、売上高、発行済株式数をグラフで示しました。
EPS(青い棒グラフ)、株価(赤の折れ線)、純利益(緑の折れ線)発行済株式数(紫の折れ線)
収益性分析まとめ
将来のEPSの予測
現在、CintasのEPS(1株当たり利益)は12.99ドルです。このEPSが今後10年間にわたって年平均13.04%の成長を続けると仮定すると、10年後のEPSは約75.58ドルに達することが予測されます。
将来の株価の予測
次に、10年後の予想EPSに現在のPER(株価収益率)を掛けることで将来の株価を予測します。現在のPERは49.9倍です。この値を基に計算すると、10年後の株価は約3,770ドルになると予測されます。
配当利回りと配当収入の予測
Cintasの現在の配当性向は約26%です。これが将来も維持されると仮定した場合、10年後の予想EPSに基づく配当金は約19.65ドルになります。配当は、EPSの成長とともに増加するため、投資家にとって安定した収入源となる可能性があります。
期待収益率の試算
次に、これらの予測を元に期待収益率を計算します。以下の要素を考慮に入れます:
- キャピタルゲイン: 現在の株価が約755.65ドルで、10年後の株価が3,770ドルになると仮定すると、キャピタルゲインは約399%となります。
- 配当収入: 10年間にわたる累積配当は約111ドルと予測されます。
これらを総合すると、10年間の総リターンは約410%になります。これを年率に換算すると、約17.6%の年率収益率が期待できることになります。これは、非常に高いリターンであり、Cintasが引き続き市場で強いパフォーマンスを発揮することが期待されます。
競争優位性
- スケールメリットとコスト効率
- Cintasは、業界内での規模が大きく、その結果としてスケールメリットを享受しています。大量のユニフォームや関連サービスを提供することで、コスト効率を高め、競争力のある価格でサービスを提供できます。この規模の経済により、他の小規模な競合他社に対して優位に立っています。
- ブランドと信頼性
- Cintasは長年にわたって高品質なサービスを提供してきたことで、業界内で強力なブランドと高い信頼を築いています。企業がユニフォームや施設管理サービスを外注する際に、信頼性が非常に重要であり、Cintasのブランド力が選択される理由となっています。
- 多角化されたサービスポートフォリオ
- Cintasはユニフォームレンタルだけでなく、ファーストエイドキット、消火器サービス、マットサービス、トイレタリーなど、幅広いサービスを提供しています。この多角化により、顧客が複数のサービスを一元的に利用できるため、他社に切り替えるインセンティブが低くなります。
- 強力な顧客基盤
- Cintasは、幅広い業界にわたる多くの企業と長期的な契約を結んでおり、安定した収益基盤を持っています。多くの顧客がリピーターであり、安定したキャッシュフローを生み出すことができる点が強みです。
脆弱性
- 高い固定コスト
- Cintasのビジネスモデルは、ユニフォームの製造・保管・配送に関連する高い固定コストに依存しています。景気後退時には需要が減少する可能性があり、その場合でも固定コストは削減しにくく、利益率が圧迫されるリスクがあります。
- 競争の激化
- 業界内での競争は激化しており、特に地域密着型の小規模な企業や新規参入者が価格競争を仕掛けてくることがあります。これにより、Cintasが価格を維持することが難しくなり、利益率が低下する可能性があります。
- 規制リスク
- Cintasは労働安全衛生や環境規制など、様々な規制の影響を受けます。特に、環境保護や労働基準の強化が進むと、規制遵守にかかるコストが増加し、利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 依存度の高い顧客セグメント
- Cintasは、特定の産業セグメントに強く依存しています。特に、製造業やサービス業が不況に陥ると、その影響を大きく受ける可能性があり、特定の業界に対する依存度が高いことがリスクとなります。
結論
Cintas Corporationが市場でも現在同様の競争優位性を保てる企業であれば現在のROE(株主資本利益率)を維持し、EPS成長率も同様に維持できる場合、投資家は次の10年間で約17.6%の年率収益率を期待できます。Cintas Corporationは引き続き注目すべき銘柄であり、今後の成長とリターンに期待が持てる企業です。
ここまでご覧頂きありがとうございました。
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