現在原油価格高騰によるインフレ再燃が不安視されています。
米国でもインフレ率2%を目標にFRBが利上げを慎重に行っている状況です。
今回原油価格高騰の主な原因として考えられるのが、
OPECによる原油生産の減産、ロシアへの経済制裁による原因が考えられます。
世界の主な原油生産国で輸出額の大きい順位ならべた時のデータです。
データは2022年のものになります。


ロシアも世界第3位の輸出国になります。
またここ最近ではロシアの7月の石油輸出収入が8か月ぶりに高水準となりました。
G7により経済制裁で取引価格の上限を設けたが中国やインドへの輸出が続いているという記事を見かけました。
日本経済新聞

NHK国際ニュースナビによるとサウジアラビアもロシアから原油を輸入しているという記事が書かれていました。
記事のグラフから抜粋いたします。


前年同月比で13倍となっています。
サウジアラビアはロシア産の石油製品を大量に購入し、自国産原油を高値でヨーロッパに輸出して収益を増やす戦略を展開しようとしています。
ロシアの原油は国際価格より安価で購入可能なため、
原油価格差を利用した戦略で、ヨーロッパ市場に石油製品を供給し、収益を上げることを狙っています。 特に、ロシアに対する見通しを支持するEU加盟国やイギリスとの関係を活用し、価格交渉で有利な立場を築こうとし、サウジアラビアが国際価格で販売自国産の石油製品をヨーロッパ市場に供給し、収入を増やそうという思惑があります。
サウジアラビアから各国が輸入した石油製品の増加はオランダ:5.9倍、ベルギー:2.3倍、フランス:1.8倍などになっています。
またサウジアラビアの主な財政資源である原油の価格を下落しないように減産による調整をおこなっているものと思われます。

現在の原油価格は90ドル付近まで上昇していますが、6月頃は70ドル付近を推移しています。
サウジアラビアにとって原油価格の下落は財政を悪化させる原因になります。
以下、引用です。
「サウジは資金を必要としている。改革計画があるのに(サウジアラムコの)IPOが延期になったからだ」とした。
1バレル70-80ドルの非公式な目標価格帯が設定されたことで、サウジが定期的に生産量を微調整する可能性が高まった。
業界筋の1人によると、サウジは前月、北海ブレント原油先物が1バレル=80ドルに近づいた際、増産に関する情報を通常よりも早く公表したという。「現行価格を踏まえると、サウジは恐らくさらなる価格抑制のシグナルを出すだろう」と述べた。
サウジの非公式な目標価格帯は他のOPEC産油国が目指す水準とほとんど変わらない。一例としては、アルジェリアは75ドルが適正価格だとしている。
https://jp.reuters.com/article/saidi-crude-oil-idJPKCN1LL0CW
以上にあるようにサウジアラビアにとって70ドル付近は望まぬ価格となっていました。
原油生産を減産するというニュースは度々見られましたが効果は思ったほどではないのか価格上昇にはしばらく時間がかかっています。
今回の原油価格高騰によるインフレ再燃は起きたとしても一過性の物である可能性が高いかと思われます。
長期投資家としてはインフレ不安により下落した個別株(インフレに強い企業)は狙いどころであるため注視していきたいと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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